「お風呂のシャワーが弱い…」エコキュートの水圧が弱い原因と今すぐできる改善策をプロが解説
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皆さん、こんにちは。宮城県塩竃市を拠点に仙台市を中心としてガス・石油設備、空調設備、リフォーム工事を手掛ける設備工事会社の株式会社 菜花空調_みんなの設備屋さんです。
「前よりシャワーの勢いが落ちた」 「2階の浴室だけシャワーが弱い気がする」
エコキュートをご使用の方から、こんなご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、エコキュートの仕組み上の理由とご家庭側の条件が重なると、水圧は弱く感じやすくなります。本記事では、根本的な原因をわかりやすく整理し、今日から試せる対応策と、解決策をプロの目線でご紹介します。
■エコキュートの水圧が弱い根本的な原因とは?

まずは「そもそもエコキュートだと水圧が弱くなりやすいのか」を押さえておきましょう。
・お湯を貯める「貯湯式」の仕組み
エコキュートはタンクにお湯を蓄えてから給湯する「貯湯式」。一方、一般的なガス給湯器は水道の圧力をそのまま活かす「水道直圧式」です。貯湯式は構造上、水道本来の圧力をそのまま伝えにくく、弱めに感じやすい特性があります。
・タンクを守る「減圧弁」の存在
水道の圧力をそのままタンクにかけると破損の危険があるため、エコキュートには安全装置として「減圧弁」が取り付けられています。この装置によって水圧を意図的に下げており、地域や条件によって最大約0.5MPa(500kPa)ある水道圧も、エコキュートではおよそ170〜190kPaに抑えられています。
・水を同時に使うことで圧力が分散
キッチンや洗面、お風呂などで同時にお湯を使うと、配管の中で水の流れが分散します。その分、シャワーまで届く力が弱くなり、勢いが落ちてしまうのです。特に2階や3階の浴室では、水が上に押し上げられにくく、より影響を受けやすくなります。
・浴室のある階数や土地の高さでも水圧は変わる
家の立地や構造によっても、水の勢いは変わります。坂の上や高台、3階建ての家、またはマンションなどでは、水を上まで押し上げる力が弱まり、シャワーの勢いが落ちることがあります。必要に応じて、建物全体で水圧を補う装置(増圧ポンプ)を取り付けることもあります。
■【すぐに試せる】エコキュートの水圧を少しでも強くするコツ

「シャワーが弱いな」と感じたとき、ご家庭でのチェックや調整で改善する場合もあります。すぐにでもできる簡単な対処法を紹介します。
・給湯温度を少し上げてみる
お湯の設定温度を50〜60℃くらいに上げると、蛇口で混ぜる水の量が少なくなり、そのぶんお湯の勢いが強く感じられることがあります。ただし、温度を上げすぎると電気代や水道代が上がることもあるので、少しずつ試してみましょう。
・低水圧でも使いやすいシャワーヘッドに替える
「低水圧対応」や「節水タイプ」と表示されているシャワーヘッドに交換するのも手軽で効果的です。水が出る穴の大きさや並び方を工夫しているため、少ない水でもしっかりした勢いを感じやすくなります。
掃除のしやすさや、ワンタッチで止められるボタンの有無などもチェックするとよいでしょう。
・止水栓が開いているか確認する
浴室の蛇口の根元などにある「止水栓」が半分だけ閉まっていると、水の勢いが弱くなります。左右どちらも全開になっているか確認してみてください。 意外と、工事や点検のあとに半開のままになっていることもあります。
・フィルターやシャワーヘッドを掃除する
シャワーヘッドや蛇口のフィルターにゴミや水垢が詰まっていると、水が通りにくくなります。ぬるま湯に中性洗剤を入れて優しく洗い、白いカルキ汚れがある場合はクエン酸を溶かした水に短時間浸けて落としましょう。
これだけで水の通りがよくなり、勢いが戻ることもあります。
■【根本から解決】水圧の悩みを解消する対策

応急的な工夫で一時的に改善しても、エコキュートの構造そのものが原因であれば、
設備の見直しがいちばん確実です。機種を選び直すだけで、水圧の悩みがすっきり解消するケースもあります。
<「高圧タイプ」のエコキュートに交換する>
エコキュートには水圧の強さに応じていくつかのタイプがあります。
家の階数やお湯の使い方に合わせて選ぶことが大切です。
・高圧(標準)タイプ[約170~190kPa]
2階に浴室がある一般的な戸建住宅なら、ほとんどの場合このタイプで十分です。
価格と省エネ性のバランスが良く、導入コストを抑えながら快適に使えます。
・パワフル高圧タイプ[約280~320kPa]
お湯を複数の部屋で同時に使うご家庭や、3階に浴室がある住まいにおすすめ。
標準タイプよりも約1.5倍の水圧があり、シャワーの勢いが落ちにくいのが特徴です。
・水道直圧タイプ[最大500~550kPa]
ガス給湯器のような力強い勢いを求めるならこのタイプ。タンクで温めた熱を利用しながら、給湯部には水道の圧力をそのまま使うため、飲み水としても使えるお湯が出せます。
<「給湯加圧ポンプ」の設置で水圧をサポート>
エコキュート本体を交換せずに水圧を上げたい場合は、「給湯加圧ポンプ」を後から取り付ける方法があります。エコキュートとお風呂のあいだに小さなポンプを設置して、お湯を送り出す力を少し強める仕組みです。3階に浴室がある家や、同時にお湯を使うことが多いご家庭では、体感できるほど勢いが改善することもあります。
ただし、家の配管の太さや距離によって合う機種が変わるため、取り付けの際は専門業者に相談するのが安心です。
■注意!エコキュートの水圧が「急に」弱くなった場合は故障のサインかも?

前日まで普通だったのに、急にお湯の勢いが弱くなったという場合は、エコキュートに不具合が起きているかもしれません。 原因として多いのは、エコキュートの減圧弁の不調やフィルター(ストレーナー)の詰まり、配管の劣化や水漏れなどです。
まずは貯湯タンクのカバーを開け、給湯管の入り口にあるフィルターを軽く掃除してみましょう。それでも直らない、タンクの下に水がたまっている、配管が濡れているというようなら、無理をせず専門業者へSOSを。減圧弁が壊れたまま使い続けると、タンク自体が傷むこともあります。「おかしいな」と思ったら、早めに点検を依頼するのが安心です。
もちろん、建物全体の水道圧が下がっている場合や、他の水まわりで同時使用が多い場合など、本体以外の要因も考えられます。「急に弱くなった」「他の蛇口もなんとなくおかしい」というときは、まずエコキュートの点検を優先するのが確実です。
■まとめ

エコキュートの水圧が弱く感じるのは、故障ではなく、エコキュートの仕組み上の特徴によるケースがあります。お湯をためて使う「貯湯式」や、安全のために圧力を下げる「減圧弁」など、構造的に水道の力がそのまま伝わりにくいのです。
ただし、設定やちょっとしたお手入れで改善できるケースも少なくありません。給湯温度を見直したり、低水圧でも快適に使えるシャワーヘッドに替えたり、止水栓やフィルターを確認するだけでも、水の勢いが変わることがあります。
それでも改善しない場合や、急に勢いが落ちた場合は、エコキュート本体の減圧弁や配管の不調が関係していることもあります。無理に使い続けるとタンクの故障につながることもあるため、早めに水まわりのプロに点検を依頼しましょう。
■宮城県仙台市でエコキュートの修理・点検なら、「みんなの設備屋さん」にご相談ください!

宮城県塩竃市を拠点に、仙台市や県内全域、山形市エリアまで対応している「株式会社 菜花空調_みんなの設備屋さん」は、エコキュートの点検・修理・交換をはじめ、エアコンや給湯器、暖房、水まわりまで、住まいの設備をトータルでサポートしています。
はじめての方にもわかりやすい説明と明朗な料金体系で、「頼んでよかった」と感じていただける対応がモットーです。「超特急工事」では、急なトラブルにもスピーディーに対応。
お急ぎの修理や当日中の応急対応もご相談ください。
水圧のお悩みは、配管の太さや使用状況、階数などの条件によって解決策が変わります。 止水栓やフィルターの調整といった小さな改善から、パワフル高圧タイプへの交換や加圧ポンプの導入まで、お住まいに合わせて最適な方法をご提案いたします。
どんな小さなことでも構いません。
「ちょっとシャワーの勢いが気になるな」と思ったら、ぜひ一度「みんなの設備屋さん」へご相談ください。

