井戸水対応のエコキュートはある? 設置する前に知っておくべき条件や注意点をわかりやすく解説!
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皆さん、こんにちは。宮城県塩竃市を拠点に仙台市を中心としてガス・石油設備、空調設備、リフォーム工事を手掛ける設備工事会社の株式会社 菜花空調_みんなの設備屋さんです。
「今使っている給湯器をエコキュートに替えたいけれど、井戸水を使っているから替えられないのでは」と思っている方がいるのではないでしょうか?
これまでのエコキュートは井戸水に対応していないものがほとんどで、井戸水があるにも関わらず水道水をエコキュートに繋いでいるケースや、導入を断念してしまうケースがありました。
しかし最近のエコキュートは、井戸水に対応している製品もいくつか販売されています。
今回の記事では、井戸水を使ってエコキュートは使っても問題ないのか、井戸水対応のエコキュートを設置する際の注意点を紹介します。
井戸水に対応しているエコキュートを設置するか検討している人はぜひ参考にしてください。
■井戸水を使ってもエコキュートを導入できる?今まで使えなかった理由とは?
結論から言うと、井戸水を使用しているご家庭でも、井戸水に対応している機種のエコキュートを選べば導入することは可能です。
また、2011年4月以降に販売されたパナソニック製のエコキュートに関しては、メーカー独自の水質検査を行い、基準を満たしていると認められれば使用可能となっています。
これまでのエコキュートは、水道水を使用することを想定しているため、基本的に井戸水の使用は不可とされていました。その大きな要因が「井戸水の水質」です。
井戸水には一般的に、カルシウムやマグネシウムなどの硬度成分が含まれています。
カルシウムなどの成分を多く含む水をエコキュートで使用した場合、エコキュート内部の熱交換器でカルシウムが固体成分(スケール)に変化し、そのスケールが配管に詰まると水やお湯の流れが滞ってしまうため、機械に負担がかかり、故障の原因や不具合を起こしやすくなってしまうのです。
このような故障のリスクから、従来のエコキュートでは井戸水が使えなかったというわけです。
最近では開発が進み、少しずつ井戸水対応のエコキュートを販売するメーカーが増えてきています。井戸水を使用すると水圧や水量不足になるとも言われてきましたが、それらも解消されていることがほとんどです。
大手メーカー(日立、ダイキン、パナソニックなど)から井戸水に対応したエコキュートが販売されていますので安心して選ぶことができます。
■井戸水に対応している各メーカーの特徴
さまざまなメーカーから井戸水対応型エコキュートが続々と販売されていますが、メーカーごとに性能面や価格に違いがあります。
代表的なメーカーの紹介をしますので参考にしてください。
詳細については、事前にメーカーや業者にお問い合せすることをおすすめいたします。
・パナソニック
2011年4月以降、パナソニックのエコキュートは全ての機種が井戸水や地下水に対応が可能となっています。
そのため、「水質検査さえ合格すれば自由にエコキュートを選べる」という特長があります。
また井戸水の使用が認められた場合には3年間の保証が適用され、水質が原因と見られる水熱交換器の詰まりなどが発生した場合には、パナソニックの独自サービスにて性能復旧が行われます。
・日立
日立のエコキュートは、水道直圧給湯を実現するエコキュートなど独自路線の開発を進めています。
ナイアガラタフネス(水道直圧給湯)と呼ばれる新たな機能により従来のエコキュートでは、導入が難しいといわれていた硬度の高い井戸水や地下水でも問題なく使用できる機種が販売されています。
ただし他社のエコキュートと同様に、導入前に水質検査を行いメーカーの基準を満たしていなければなりません。
日立の井戸水対応エコキュートは、タンクの水の入れ替え量が大幅に低減しているため、流入するカルシウムの量も少なくスケールの詰まりを軽減しています。
・ダイキン
パナソニックと同様に、ダイキンのエコキュートも全ての機種が井戸水に対応可能となっています。
最近、ダイキン製品の中でも特に井戸水対応に特化した薄型のエコキュートが発売されました。
井戸水を使用していて、設置スペースがない等の理由から導入を諦めていた方に、ダイキン製のエコキュートはオススメです。
■井戸水対応のエコキュートの注意点
井戸水対応のエコキュートが販売されるようになり、一定の条件さえ満たしていれば、メーカー保証なども問題なく受けられる状態でエコキュートの導入が可能になっているものの、通常の水道水のご家庭にエコキュートを導入する場合とは異なる注意点がいくつかありますので、順番に解説します。
・水質検査が必須
井戸水を使用しているご家庭でエコキュートを設置する場合、まずは水質検査を実施する必要があります。
井戸水に対応可能なエコキュートがあるとはいえ、たとえ対応機種だとしてもあまりにも井戸水の成分濃度が高い場合は、成分を処理しきれない可能性があるため、設置が不可能になります
そのため、井戸水対応エコキュートを導入する際は、事前に水質検査を行う必要があると覚えておきましょう。
水質検査の方法はシンプルで、販売店から「採水キット」を取り寄せ、その「採水キット」で井戸水を採取し、エコキュートのメーカー・販売店に送付するといった流れになります。
その後は検査結果が報告され、検査結果報告書、適応可能な場合は認定書を受け取り完了となります。なお、水質検査の結果が届くまでに1週間ほど期間が必要です。
また、水質検査せずに、井戸水の使用でエコキュートが破損した場合、メーカーの保証が受けられませんので注意が必要です。
水質検査に関するルールや手順はメーカーごとに異なるので、しっかりと確認してください。
・導入コストが高くなる
水道水を利用する一般的なエコキュートよりも、井戸水対応エコキュートは、導入コストが高くなります。
施工条件などが同じであれば、施工費などに大きな違いはないですが、水質検査費用がかかるほか、本体価格が約5~10万円ほど高くなってしまうのです。
そのため、現在の給湯器から井戸水対応のエコキュートに交換して、ランニングコストがどの程度削減できるのかよくシミュレーションするようにしましょう。
・追加工事が必要になる場合がある
井戸水対応のエコキュートを導入する際、ご家庭の環境によっては追加で工事が必要になる場合があります。
井戸水に砂が混ざっている場合は、砂こし器の取り付けが必要です。こちらは簡単な工事のためそこまで費用はかかりません。
しかし、配管の増設が必要となると工事は大掛かりなものになってきます。
エコキュートの設置する位置と井戸水の取水口の距離が離れすぎている場合、配管を長くするための増設工事も行わなければなりません。
また特によくあるのが、井戸ポンプの交換です。
圧力スイッチ式ポンプを使用している場合、水圧が一定ではないため、吐水圧を一定にするインバーター式の井戸ポンプに交換する必要があります。
交換せず、エコキュートを設置した場合、水圧が弱くなったり、水量が少なくなったりする不具合が生じることがあるため、そのような事態を避けるために、流量・圧力変化に対応したインバータータイプの井戸ポンプの取り付けが推奨されています。
井戸水対応エコキュートの導入にあたり、井戸ポンプも同時に交換する際は、こちらの交換費用も考慮しなければなりません。
■まとめ
今回は、井戸水を使用している家庭でもエコキュートを導入できるのか、井戸水対応のエコキュートを設置する際に注意すべきことなどを紹介しました。
水質検査をクリアしなければ設置できないことや、一般的なエコキュートと比較すると導入コストが高くなってしまうなどデメリットはありますが、今までできなかった井戸水でエコキュートを使用できることは大きなメリットではないでしょうか。
今まで断念していた、エコキュートを導入することで、省エネにも役立ち、将来的なランニングコストも抑えられるのでぜひ検討することをおすすめします。
みんなの設備屋さんは、仙台市を中心に宮城県、山形市の設備工事を行っているプロのお店です。エコキュートの設置や交換はもちろん、エアコン、給湯器、暖房、水回りなど、水道や電気に関するお困りごとに対応しています。
エコキュート設置後も、メンテナンスや点検、修理など、充実のアフターサービスを実施しており、故障や不具合の発生時にも、迅速対応可能です。
豊富な施工実績をもとに、提案施工させていただきますので、エコキュートの設置工事はぜひ当社までお問い合わせください。